もう10年昔の話ですが法務系LT @LegalLT の記録(誰か続きを開催してください)

LTの風景のイメージ 未分類

この記事は、「法務系 Advent Calendar 2021」に参加しています。マギー住職さんの「放送局に転職することになったので、著作権法の放送関係のところを勉強してみた」からバトンタッチを受けました。

法務系Advent Calendarの歴史はここに書いてありますが、最初に実施されたのは2013年です。その初回の主催者は片岡さんだったのですが、片岡さんが始めたもう一つのイベントで、「法務系LT」というのが、昔1、ありました。

私は第1回の法務系LTから参加していたのですが2、これがなかなか楽しいものでした。私個人としても、弁護士になって数年の段階で、初めて仕事とは関わりのない法務系の方々3と知り合う機会をいただき、世界が広がりました。また、「あまり意味なくアウトプットをする」という習慣の嚆矢だったかもしれません4

法務系LTがこのまま途絶えてしまうのも惜しいと思い、誰か続けてくれないかなーということで歴史を記録する記事を書いてみることにしました。

第1回@BLJ

片岡さん主催で5、法務LTがはじまりました。会場は今は亡き「Business Law Jural」を発刊していたLexisNexis Japanが、会社の立派な会議室を貸して、ビールとかピザも用意してくれました。

どうしてこういうことを始めたのかですが、技術系でよくやられている「ライトニング・トーク」を法律の世界でもやってみたいと始めたところ、BLJが協力してくれたそうです。いい話ですね。

参加者は24人で、LTは17人。アットホームな雰囲気でした。このときは弁護士は私1人だけだったのを憶えています6

第2回@BLJ

第1回と第2回の間に、BLJの読者交流会でLTの企画がありました。第1回、第2回とBLJのバックアップで開催されており、当時は、BLJ関連の一連のイベントという感じだったんですね。

第2回は、片岡さん、橋詰さんの主催です。参加者・演題のリストがこちらに残っています

この回は私を含めて5名の弁護士7が参加しており、全体的にぐっとレベルが上がった印象でした。第1回はみんな初めてだし、ぱっと作って気楽にできる感じ(飛び入りもあった)がよかったんですよね。レベルが上がることは悪いことではないですが。

第3回@クックパッド

第3回の会場はクックパッド8のオシャレな会議室です。この回は、私は気づいたら申込みが一杯になっていて、参加できませんでした。なのであんまり雰囲気とか分からないのですが、「さいごのろじゃあさんに繋がる一連の流れは圧巻でしたね。」という感じで、大変盛り上がっていたようです。

規模拡大により、企業の会議室を借りる開催形態は限界になっており、時間的にも3時間を越える長丁場でした。

第4回@阿佐ヶ谷ロフト

第4回は柴田弁護士が主催で、阿佐ヶ谷ロフトを借りて実施することになりました。私も運営として関与し、後半の司会を担当しました。アーリーさんが前半の司会ですね。

参加人数100人と大規模になりましたが、タイムマネジメントは完璧で、ほとんどのLTerは時間通りに発表を収めていました9。イベントの完成度としては、ほぼ頂点だったと言って良いでしょう。

ロフトの会場費が13万円くらいで10、参加費1500円で100人申込みなので、実際何人来たかは分かりませんが、赤字は出なかったはずです11。第4回は、無料会場を利用していたこれまでと違って、万が一集客できないと赤字になるリスクがあったのですが、これまでの実績から問題ないだろうと考えて、大丈夫だったわけですね。

ただ、第4回の運営は正直いって疲れました。この規模のイベントは、事前準備も大変ですし、当日も色々やることがあって(なんだか忘れた)、「LT聞いているどころではない。飲んでるどころではない。」という感じで、これはプロじゃないとできないなと思いました。LTのレベルは高く、それは素晴らしかったのですが、「法務初心者です。」みたいな人が気軽に参加できる雰囲気ではなく、敷居の高い舞台に成り果ててしまいました。

第5回(リーガルテック祭り)@クックパッド

第5回は、通常の運営形態に戻しての開催になります。ちょうど、リーガルテックが盛り上がってきた時期だったからでしょう、「法務&知財系ライトニングトーク2017 <リーガルテック祭>」という看板になりました。法務系LTで内容に指定が入ったのは初めてでした。

裏LTも開催され、これは楽しそうだったなぁ……。

そして、残念ながら、「法務系LT」という企画はこれが最後になってしまったのでした。

その後

片岡さん、橋詰さんは、法務パーソン対象の法務互助会を主催し、そこでもLTイベントは開催しているようです。ただし、これは、クローズドな会ですし、私のような弁護士は参加資格がありません。また、橋詰さんは、知財系LTをいくつか開催しているようです。(以上につきこちら

また、法務LTとは別ですが、第4回法務系LTを見た神戸大学の小塚准教授が、「租税でもやりたい」と言い出して、私が協力して、私の事務所の会議室で「租税実務Lightning Talk 」を開催しました。

誰かLTの続きを開催してくれ

全5回の法務系LTと番外編としてTaxLTの概要をまとめてみました12

こじんまりと始まった法務系LTが、すぐに大きくなっていったことが分かります。

参加も困難になり、逆にいうと法務系LTは人気ネタでした。第1回は飛び入り参加OKで、飛び入りのLTもあったのだけど、第2回では1日で定員が一杯になり、第3回は深夜に告知して午前中には一杯になっているという状況でした13。ご厚意で無料の会場を借りていたのですが、第4回は思い切って有料会場で定員100名のイベントとしましたが、それも楽々と満員となりました。

派生イベントとしてTaxLTがあります。これは9月の第4回のあとにやる話になり、10月には開催を告知、12月に実施しました。無料の部屋さえあれば、小規模のLTイベントをさくっとやるのは実は簡単だし、租税という割とマニアックな話題でも最低限の集客は見込めることは分かっていました14

正直いうと、私は、第1回LTのこじんまりして、誰でも敷居低くLTができて、酒飲みながらへーなるほどと聞いて、自分のLTのころは酔っ払っていたり、人によっては会場についてからスライドを作り始めるような雰囲気が好きなのです。いや、確かに第4回みたいな、豪華メンバーが役に立つ発表をして、準備は万全、タイムマネジメントも完璧でみたいなのもいいんですけど、LTはもっと緩い方が面白い。僕は第4回が法務系LTの頂点だと思いますが、一番好きなのは第1回です。運営も緩い感じだったようです。

思い起こせば3年前、IT系のエンジニアの間では普通に行われていた「ライトニングトーク」形式のイベントを法務でもやったらおもしろそうという思いつきで始めたのが、第1回目の法務系ライトニングトークでした。
「ピザとビールだけはこっちで用意しておくから1,500円とネタだけ持って三茶に来て」、というものすごく適当な運営で、カード決済したつもりのピザ代が引き渡し時決済になっていて手持ちが足りずに参加者の方から1万円借りたり、途中でビールが足りなくなって買い物に行ってもらったり、二次会の手配をBLJ編集部の皆さんに全部やっていただいたりと、今思うと冷や汗が出る綱渡りっぷりだったのですが、それでもただひたすらに楽しかった記憶があります。
「法務系ライトニングトーク #LegalLT」

法務LTは早い段階から、かなりの需要が見込めるものの、大規模になると雰囲気がLTっぽくなくなるという限界が見えていたと思います。片岡さん、橋詰さんも、「法務系LTはもう別の方に運営していただくとして、会員制サロンみたいな(もちろん会費は取りませんが)クローズド勉強会をやりたいなって話をしています。」ということで、(IT)法務互助会の運営の方向に進まれていったようです。

LTの開催にあまりリスクはありません。人は集まるし、集まらなくても飲み会にしてしまえばいい。それでも、片岡さんのような「旗を振る人」がいなければ話は始まらないし、それが一番偉いのです。

片岡さんも、誰か主催してくれ、「必要であれば、過去3回の開催を通じて得られた知見は全てご提供しますので。」と言っています。私ももちろん、手伝います。頼んだら、法務系LTの看板も引き継げるんじゃなかろうか。

誰かやってくれないかなー。

 

※次は若手弁先生です。

参考ブログ

「企業法務について」(片岡氏)

「企業法務マンサバイバル」(橋詰氏)

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