草津町捏造告発事件は、新井祥子議員の性犯罪告発にはじまったが、遅くとも2023年2月の時点で、その告発が捏造だったことが明白になっている。何の落ち度もない黒岩草津町長に対する冤罪事件であり、周到・執拗な弾劾キャンペーンが海外報道機関も巻き込んで展開され、「セカンドレイプの町草津、野蛮な性差別の日本」というイメージが拡散された。
将来の反省のためには、客観的事実を広く共有することが必要であると考え、時系列をまとめて共有する。
2015(平成27)
2019(平成31・令和元)
- 4.21 新井祥子、町議会議員選挙で2回目の当選
- 11.11 告発本『草津温泉漆黒の闇5』(著者:飯塚玲児)発刊
- 11.24 この日夜に町長室で「模様替え」があったと新井議員は主張
- 11.29 新井議員・中澤議員が、町長不信任決議案を町議会に提出
- 11.30 新井議員が記者会見
- 12.2 草津町議会が、不信任決議案を否決し、新井氏を除名(配信動画)
- 12.3 黒岩町長が新井議員、著者飯塚氏を刑事告訴(名誉毀損)
- 12.16 黒岩町長が新井議員、中澤議員、飯塚氏に対する民事訴訟を提起
2020(令和2)
除名取消からリコールまで
- 8.6 群馬県が新井議員の除名を取消
- 8.24 新井が岡村隆史批判デモ(渋谷)に参加(FEM-NEWS)
- 9.8 新井議員に対するリコール請求
- 9.18 FEM-NEWS(三井マリ子)の勉強会2にて、三井マリ子、森田成也、キャロライン・ノーマ、増田都子3が同席
- 9.28 新井議員と支援者が記者会見(Facebook: 動画①、動画②、動画③4)
- 10.5 新井議員が「犯行」現場の秘密録音の一部をFacebookで公開(Tweet)
- 10.6 前橋地方裁判所が新井議員の報酬に対する仮差押決定で名誉毀損を認定(紹介した新井のブログ)
- 10.25 Change.org署名が開始
- 11.11 FEM-NEWS(三井マリ子主催)で新井が講演
- 11.25 北原みのり記事①
- 11.29 キャロライン・ノーマ、エマ・ダルトンがAPP研ブログに英文記事を公開し、町長の性犯罪・複数の前科を断言
- 12.12 匿名活動家「笛美」のTweetにより批判投稿が顕著に増加(グラフ)
- 12.3 北原みのり記事②
- 12.4 Spring山本潤代表がFacebookに「レイプの町」と記載して投稿(当時の画像を引用したTweet)
- 12.5 草津でフラワーデモ開催(広報Tweet)
- 12.6 リコール投票(新井の解職が決定)
リコール後
- 12.6 大椿ゆうこ議員(社民党副党首)が、草津町長に自殺を促したと解釈できるTweet5を投稿
- 12.7~10 海外で多数の報道がなされる(報道をまとめた記事)
- 12.8 草津市(草津町ではない)に殺害予告メールが届く
- 12.8 日本共産党が赤旗で公式見解を発表
「日本共産党は、今回の草津町議会でのリコールには反対の態度です。また地方議会での少数者の排除やあらゆるハラスメントを許さない立場を貫いてまいります」 - 12.10 ハフィントンポストが海外報道について報道
- 12.11 草津でフラワーデモ開催。スローガンは「セカンドレイプの町」(翌年1.13の週刊金曜日の報道)
参加者:新井元議員、中澤議員、山本潤Spring代表、APP研森田理事、ノーマ氏、共産党中之条町議員(草津町有坂議員は欠席)等 - 12.11 「全国フェミニスト議員連盟」が抗議文を草津町に送付
- 12.12 赤旗がフラワーデモを報道
- 12.13 社民党の動画「今夜もフェミテレビ」に福島みずほ議員(社会党党首)、大椿ゆうこ議員(同副党首)、北原みのりが参加(文字起こし)
- 12.14 記者会見(黒岩町長)
- 12.18 記者会見(新井)
2021(令和3)
- 2.8 「新井祥子元草津町町議を支援する会」(中澤議員代表)創設
- 3月 北原みのり「草津町議会リコール事件」6
- 3.6 山本氏が、Facebookの「レイプの町」を「セカンドレイプの町」に修正(記録)
- 5月 上野千鶴子「女性議員の受けるハラスメント」7が、新井を「被害者」と表記
- 12.13 新井元議員が、黒岩町長を告訴(強制わいせつ)。新井元議員が、犯行現場録音の一部を記者会見で再生
- 12.15 北原みのり記事③
- 12.16 黒岩町長が、新井元議員を告訴(虚偽告訴罪)
- 12.24 黒岩町長に対する不起訴処分
2022(令和4)
- 1.23 草津町長選挙で黒岩町長が当選、新井が落選
- 10.31 新井元議員が虚偽告訴と名誉毀損、飯塚氏が名誉毀損でそれぞれ在宅起訴
- 11.2 大串真智子弁護士が、新井元議員の民事訴訟の代理人を辞任(動画配信)
- 11.11 起訴を受けて黒岩町長が記者会見(録画)
- 11.21頃 APP研が英文ブログを秘かに修正
- 11.25 室井佑月氏が日刊ゲンダイのコラムにおいて、北原みのりを批判
- 11.27 北原みのりから室井氏に対し、コラム撤回を求める「申入書」が届く(Tweet)
- 12.1 北原みのり記事④
- 12.7 著者飯塚氏がブログで誤報を認めて謝罪
- 12.9 岸本学弁護士(第一東京弁護士会)に対する懲戒請求(町議会での議決)8
- 12.28 「支援する会」(中澤議員など)が活動休止を発表
「彼女を信じてきた私たちに語ってもらえなかった以上、活動を休止するほかないと決断した」
2023(令和5)
- 2月 月刊正論2月号に黒岩町長の手記が掲載
- 2月頃 APP研が英文ブログを削除9
- 2.15 飯塚氏の刑事初公判で現場録音の全部が再生される10
- 2.16 中澤氏が黒岩町長を訪問して謝罪11
- 2.28 「支援する会」が解散声明12を公表
「私たちもまた、新井元町議の証言を信じて、黒岩町長に対して強制わいせつの疑いをかけたことにお詫びをしなければなりません。」 - 3.3 APP研が英文ブログを撤回して謝罪(英文のみ)13
- 4.23 新井が草津町議会議員選挙で落選(獲得27票)
- 10.13 飯塚刑事事件 論告求刑
- 11.1 新井元議員が証人尋問(民事)で虚偽を認める(翌日に上毛新聞が報道)
- 11.8 飯塚刑事事件結審(報道)
- 11.15 朝日新聞が、新井元議員が虚偽を認めたことを報道14
- 11.28 東京弁護士会が一般社団法人Springに人権賞を授与(広報Tweet)
- 12.5 Springが「見解」を公表して謝罪
- 12.6 寺町東子弁護士(Spring副理事長)がSpringと同様の認識として謝罪
- 12.14 「しんぶん赤旗」が紙面にて謝罪(画像を引用したTweet)。ただし、ネットには不掲載
- 12.19 FEM-NEWS(三井マリ子)が謝罪
- 12.21 赤旗がネットには掲載していなかった謝罪記事をネットに公開(14日付と記載)15
- 12.23 共産党が黒岩町長を訪問して謝罪した記事が赤旗に掲載(ネット不掲載)
2024(令和6)
- 1.22 飯塚氏に対し、懲役1年執行猶予3年(名誉毀損)の刑事判決
- 4.17 民事判決:新井275万円(うち110万円を飯塚氏と連帯)、飯塚氏110万円、中澤議員棄却【判決書(前橋地判令和6年4月17日)】
- 4.30 産経新聞が黒岩町長のインタビュー記事を掲載
関連リンク
- Togetterまとめ「黒岩草津町長の「性犯罪」虚偽告発」①~⑨
筆者(吉峯)作成。リンクは最初のまとめ①で、その冒頭に各まとめのリンクがある。 - Togetterまとめ「草津町冤罪事件」
膨大な情報が記載されている。 - 草津町議会動画配信
草津町議会での議論は全て見ることができる。
改訂履歴
- 2023.12.22 公開
- 2023.12.24 22日朝から不具合で表示できていなかったのを復旧。脚注の動作が安定しないので、不要な注を削除。新情報を追加(以下、随時の情報更新は記載しない)
※告訴、起訴、訴訟提起等の明確なイベントについては、根拠報道のリンクを省略した。
※アイキャッチ画像は、2019.11.30「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS)から、新井祥子議員(当時)が虚偽の「告発」をする場面を引用した。
田辺総合法律事務所パートナー弁護士。第一東京弁護士会所属(修習58期)。
第一東京弁護士会 総合法律研究所IT法研究部会所属(元部会長)、国立国際医療研究センター臨床倫理委員会委員、日弁連刑事弁護センター幹事(刑事手続IT化PT)等。
デジタル証拠や医事法・医療情報についての著作が多い。
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